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プランクトン

 プラントンは、植物プランクトン、動物プランクトンに大別されます。サイズはまちまちで6桁の違いがあり、分類群も多岐にわたります。そのほか、貝類やエビ・カニなどの甲殻類、ゴカイなどの多毛類等の底生動物の多くは、幼生期をプランクトンとして過ごします。

代表的な海産プランクトン群集の分類
サイズ区分 植物プランクトン 動物プランクトン
ピコプランクトン
(0.2〜2μm)
藍藻類 鞭毛虫類
ナノプランクトン
(2〜20μm)
クリプト藻類,ハプト藻類,
渦鞭毛藻類,珪藻類
鞭毛虫類,繊毛虫類
マイクロプランクトン
(20〜200μm)
渦鞭毛藻類,珪藻類,ラフィド藻類,
ユーグレナ藻類
有孔虫類,放散虫類,繊毛虫類,
カイアシ類(ノープリウス幼生)
メソプランクトン
(200μm〜20mm)
藍藻類(群体性),珪藻類(群体性),
渦鞭毛藻類
カイアシ類(ノープリウス,コペポダイト,成体),枝角類,オキアミ類,
ヤムシ類,サルパ類,尾虫類,
ヒドロ虫類
マクロプランクトン
(2〜20cm)
 オキアミ類,ヤムシ類,サルパ類,
ヒドロ虫類
メガプランクトン
(20〜200cm)
 鉢クラゲ類

 プランクトンは水域における基礎生産者、低次生産者で、魚介類の餌となっているため、水域における物質循環を評価するうえで重要です。水質悪化や魚介類のへい死をもたらす赤潮はプランクトンの異常な大量発生であるため、プランクトンの監視と、大量発生の予防は重要な課題です。また、大量に発生するプランクトンは貧酸素水塊の発生原因ともなります。干潟・浅場造成による環境修復や、アサリの増殖場造成の際には、アサリの浮遊幼生の多寡を計画段階で調べることが必要です。バラスト水中のプランクトン量の把握にもお答えしています。

 淡水域では、上水道水源の水質維持の際、着臭原因種の調査、ピコプランクトンの調査が行われます。

 プランクトンの調査では、採水法、ネット法により採集し、顕微鏡下で、同定、計数を行います。サイズを計測して、既往の知見から、生態系モデルを用いた物質循環の定量的な評価に必要な炭素、窒素などの現存量に換算することも可能です。アサリの浮遊幼生の同定は形態による方法のほか、蛍光抗体法(モノクローナル抗体法)により迅速な測定が可能です。